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因果のロープ (2)

通信の情報伝達過程は1本のロープにたとえられます。その場合、ロープの終点の結果端は受信に対応しています。ところが、ロープの始点の原因端は送信には対応しておらず、送信よりも過去に位置しています。では、原因端の位置は宇宙の始まりの時点まで遡れるのでしょうか。実は、そうではありません。なぜかというと、全く偶然に起こった出来事が原因である場合、それ以上原因を遡ることはできないからです。


例えば、ここに出目が全くランダムなサイコロがあるとしましょう。そして、送信者がそのサイコロを振って、その出目の情報を受信者に送信したとします。すると、そのサイコロ投げは、通信の究極的な原因だといえます。読者は、「サイコロを投げる前の状態は一つの状態に決まっているのだから、対応する出目も一つに決まっているはずなので、厳密に言えば出目はランダムではありえないのではないか」と疑うかもしれません。たしかに、古典力学によって記述されるような決定論的な系では、始めの状態と終わりの状態とは1対1で対応します。しかし、量子力学によって記述されるような系では、1つの始めの状態に対応する終わりの状態は1つだけとは限りません。たとえば、光子(光の粒子)1個をハーフミラーに入射させたとき、その光子が反射側で観測されるか、それとも、透過側で観測されるかは、半々の確率で全くランダムに決まります。ですから、量子力学的な確率事象は出目が全くランダムなサイコロの役目を果たすといえます。ゆえに、通信の究極的な原因は、何らかの量子力学的な確率事象であるといえます。


「因果のロープ」の原因端は量子力学的な確率事象に対応し、結果端は受信に対応することがわかりました。では、その間のロープはどんな物理過程に対応しているのでしょうか。まず、原因端から未来に向かってのびていく部分について考えてみます。この部分は、わたしたちがよく知っている情報伝達の領域です。すなわち、この部分はドミノ倒しや機械の動作や電波による通信などのように近接作用によって情報が未来へ伝達されていく過程すべてに対応しています。つぎに、ロープがUターンして戻ってくる部分について考えてみます。この部分は、先に述べたように、タイムコミュニケーションに対応しています。タイムコミュニケーションは情報を過去へ伝達するのですから、近接作用を用いることによってそれを実現することは不可能です。それは、量子相関(量子もつれ,エンタングルメント)と呼ばれる非局所的な効果を用いることによってはじめて実現できます。

「因果のロープ」完


domino

近接作用は情報を未来へ伝達します




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