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ダブルHOM干渉再考 (1)

これから何回かに渡り、実際の実験を念頭において、ダブルHOM干渉を用いたタイムコミュニケーションについて考察していきたいと思います。初回の今回は、ダブルHOM干渉計の概要について述べます。下図をご参照ください。


dhomi_anime_2

パルスレーザ光源PLSを出たポンプレーザビームを、ハーフミラーHM0で2分し、それぞれを2つの等価なパラメトリック下方変換器PDC1, PDC2に導入します。すると、パラメトリック下方変換によって、PDC1, PDC2からアイドラー光子i1, i2とシグナル光子s1, s2とが放出されます。ポンプ光子のエネルギーをEpとし、アイドラー光子i1, i2のエネルギーをそれぞれEi1, Ei2とし、シグナル光子s1,s2のエネルギーをそれぞれEs1, Es2とすると、エネルギー保存側により、


Ep=Ei1+Es1=Ei2+Es2    (1)


という関係が成立します。また、アイドラー光子とシグナル光子とからなる光子ペア(i1, s1), (i2, s2) のそれぞれは、アイドラー光子のエネルギーが決まればシグナル光子のエネルギーも決まり、アイドラー光子の放出時刻が決まればシグナル光子の放出時刻も決まる量子相関(量子エンタングルメント)状態にあります。


送信者アリスがシャッターSHを開放してアイドラー光子i1を遮らなかった場合、アイドラー光子i1, i2はハーフミラーHM1で合波され、かつ、シグナル光子s1, s2はハーフミラーHM2で合波されます。このとき、ハーフミラーHM1の出力光子が i1 なのか i2 なのかは完全に不可識別になり、かつ、ハーフミラーHM2の出力光子が s1 なのか s2 なのかもまた完全に不可識別になります。ここでは、アイドラー光とシグナル光におけるパルス当たりの光子数の期待値が1になるようにポンプレーザー光の出力を調整してあるものとし、かつ、ハーフミラーHM2の手前の2光子吸収体TPA1, TPA2で偶数個バンチ(集群)した光子を吸収するものとします。不可識別の2光子をハーフミラーで合波すると、HOM干渉により、その出力光子は2つの出力ポートのいずれか一方に偏って2個一塊になって出力されます。したがって、受信者ボブの側の検出器D1, D2それぞれが同時に光子を検出する確率(同時検出確率)はほぼゼロになります。


一方、送信者アリスがシャッターSHを閉鎖してアイドラー光子i1を遮った場合、アイドラー光子i1はSHで吸収され、i2は吸収体T1, T2のいずれかで吸収されます。このとき、アイドラー光子i1のエネルギーEi1と、アイドラー光子i2のエネルギーEi2とを独立に計測したとすると、数式(1)で表される量子相関によって、対応するシグナル光子s1, s2のエネルギーEs1, Es2もそれぞれ独立に決まります。そうすると、一般にハーフミラーHM2に入力されるシグナル光子s1とシグナル光子s2とは異なるエネルギーを持つことになるので、それらは識別可能になります。したがって、ハーフミラーHM2へシグナル光子s1, s2が同時に入力される場合、HOM干渉は不成立になります。ゆえに、その場合に受信者ボブの側の検出器D1, D2それぞれが同時に光子を検出する確率(同時検出確率)は50%に近い値になります。


以上のことから、送信者アリスが2進(バイナリ)の送信情報に応じてシャッターSHを開閉すれば、それに対応して、受信者ボブの側の同時計数率が変化します。そこで、この効果を利用すれば近接作用を媒介とぜずに量子通信を行うことができます。従来の通信はすべて、何らかの近接作用を媒介として行われているので、このダブルHOM干渉による量子通信は、非局所的な全く新しい通信だといえます。


次回からは、ダブルHOM干渉がタイムコミュニケーション(超光速通信や時間逆行通信)に利用可能かどうかを、現行の量子光学の知見に基づいて検討していきたいと思います。

(つづく)



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