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因果律とは何か

この度の超光速ニュートリノの報道では、ニュートリノの超光速移動を示す測定結果と相対論やタイムマシンとの関係に焦点があてられて、センセーショナルに喧伝されています。また、もう少し冷静な論説では、超光速移動と因果律の関係が論じられています。曰く、「もし、超光速移動が許されたなら、物理学の根本にある因果律が崩れてしまう。そんなことはありそうもないので、きっと、今回の実験には瑕疵があるのだろう。」しかし、物理学の教科書をひっくり返しても、因果律の定義などどこにも見当たりません。これは一体全体どうしたことでしょうか。


実は、因果律は物理法則ではありません。それは、物理学そのものを成立させる上で要請されるメタ法則(高次の法則)、あるいは、形而上学的な法則だといえます。百科事典マイペディアから因果律の解説を下記引用します。


ある事象A(原因)に引き続いて他の事象B(結果)が必然的・規則的に生ずるとき,AとBには因果関係があるといい,これを原理として立てるときこの法則を〈因果律〉とか〈因果〉という。


この定義によれば、事象Aと事象Bとの間の必然的・規則的すなわち決定論的に推移する過程内にある事象A'や事象A"もまた事象Bの原因だといえます。ところが、決定論的に推移する過程内では、因果律は意味を持ち得ません。なぜなら、決定論的な過程内では、原因は相対的に過去の事象、結果は相対的に未来の事象と言い換えられるので、因果律は、「相対的に過去の事象は、相対的な未来の事象よりも過去に位置する」というトートロジーに過ぎなくなってしまうからです。


事象Aが、偶然に起こる確率事象であった場合はどうでしょうか。その場合、事象Aは「事象Bが、なぜかくあって別様ではないのか、ということの十分な理由(充足理由)」になっているといえます。そこで、因果律は、次のように定義することで、トートロジーではない有意味な法則になります。


ある量子力学的な確率事象A(原因)を充足理由として他の事象B(結果)が決定論的に生ずるとき,AとBには因果関係があり、この先後関係は不変である。


これが、「ライプニッツの充足理由律」と量子力学とから導かれる因果律の現代的な解釈です。

(つづく)


dice

世界は必然と偶然のカクテルです



コメント
ディヴィッド・ボーム著の「現代物理学における因果性と偶然性」という本に因果律についての話が詳しくなされてます。たしかそれによると、因果性や偶然性は、考察する関連体の範囲を限定することによって生じるのです。それで「因果性」は関連体の外部の影響を無視し「本質的な要因」だけを考えたときに近似的に成り立つもの。そして「偶然性」は関連体外部の「非本質的な要因」が、考察する現象とは独立に変動すると考えることに成り立つもの。つまりどちらも全体を部分に分割するという「近似」から生じるものなのです。
  • Au
  • 2011/10/08 4:37 PM
Auさん、コメントありがとうございます。

「現代物理学における因果性と偶然性」は最寄の図書館に所蔵されているようなので、機会をみつけて読んでみたいと思います。
貴重な情報をいただき、ありがとうございました。
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