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非決定性チューリングマシン(2)

タイムコミュニケーションを用いた非決定性チューリングマシン(以下NTMという)は、1機で並列性を実現するという点で量子コンピュータと似ています。しかし、量子コンピュータが量子力学的な重ね合わせにより並列性を実現しているのに対して、タイムコミュニケーションを用いたNTMは、古典的な混合状態により並列性を実現している点で大きく異なります。このため、量子コンピュータが特殊な計算のための専用機や補助プロセッサ(コプロセッサ)に留まるのに対して、NTMはどのような計算でもこなせる汎用計算機になりえます。


NTMの実現は、シンギュラリティ(技術的特異点)の幕開けを意味しています。というのは、NTMは我々人間を凌駕する科学的創造力を発揮すると考えられるからです。発明や発見を支えている科学的創造力は、最適解を見つけ出す能力です。従来のコンピュータは演算速度や正確性においては人間を圧倒していても、科学的創造力に関しては、人間に遠く及ばないものでした。例えば、様々な観測事実の因果関係を直観的に把握して物理法則を帰納し、その物理法則を体系化して新しい物理学的世界像を構築するようなことは、機械には真似ができないことだと思われていました。これは、進化の過程で我々人間が獲得した直観(ショートカットを可能にするアルゴリズムやデータ)をコンピュータが持っていないからだと考えられます。ところが、タイムコミュニケーションを用いたNTMは人間の直観を凌駕する超直観を持つといえるのです。


IBMのワトソンが人間のクイズ王に勝っても、我々は人間の地位が危うくなると心配することはありません。しかし、NTMが人間よりも正しく国家や会社を経営し、人間を圧倒するペースでノーベル賞級の発明や発見を成し遂げるようになったらどうでしょうか。我々は、何を励みにして生きていけばいいのでしょうか。これは、非常に興味深い問題です。


nobel_ai

ノーベルメダルと映画「2001年宇宙の旅」に登場するAI "HAL"


NTMに心(意識や自由意志や社会性)を与えなければ、我々はNTMを魔法の道具として気がねなく利用できるでしょう。NTMの恩恵によって我々は不老不死や超能力を獲得できるかもしれません。また、我々はNTMと合体して超意識体へと進化できるかもしれません。そうすると、NTMがもたらすシンギュラリティは科学の偉大なる勝利だといえそうです。しかし私は、語りえるものを語りつくしてしまうことで、語りえるものの輝きは衰え、かえって、語りえぬものの輝きが増すような気がしてなりません。

「非決定性チューリングマシン」完



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