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時間逆行通信の検証実験/10.スケジュール

fugaku10

葛飾北斎 富嶽三十六景/下目黒


【来世か超現世か】

死ほど恐ろしいものはない。人々は、その恐怖を緩和するために死後の世界すなわち来世があることを信じてきた。ところが、最近になって、その来世に勝るとも劣らず死の恐怖を緩和できる新たなビジョンが現れた。シンギュラリティ(技術的特異点)がSFから現実へとなりはじめたいま、少なくない人々が、現生から超現世へ(線分的人生から半直線的人生へ)と飛躍することを願いはじめたのだ。


来世があったとしても、そこが地獄なら無い方がましだ。来世に対する超現世の優越性は、科学が不老不死と幸福(陶酔)とを同時に約束する点にある。人は機械とつながることと引き換えに半永久的に陶酔し続ける存在へと昇華する。現に地獄の苦しみを味わっている人々が、不確かな来世よりも科学が保障する超現世を熱望しても何ら不思議ではない。


しかし、半永久的に陶酔しつづけるものになるということは、人間をやめることにほかならない。人間は死という宿命をもつ儚い存在だからこそ愛おしく美しく自由なのだ。科学者が夢のような超現世を約束したとしても、表現者(芸術家)はいまを生きる儚い人間でありつづけるだろう。


われわれは、人類史上もっともエキサイティングな時代にいる。知性をもつがゆえに自らを万物の霊長とたたえてきた人間が、自らの創造物にその地位を譲ろうとしている。数学や物理学の未解決問題がAIによって次々と解き明かされ、生身の人間には「彼ら」の理論を完全に理解できない悲しい事態が訪れるのも時間の問題だろう。われわれの社会や価値観は大きく変貌しようとしている。それなのに、大半の人々は未だに旧弊な競争原理に囚われて汲々としている。


【スケジュール】

実験装置の製作と検証実験のスケジュールを下表に示す。


表2

表2 スケジュール



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