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時間逆行通信の検証実験/2.概念設計

fugaku2

葛飾北斎 富嶽三十六景/江都駿河町三井見世略図


Aliceによる行為の事象列とBobによる観測の事象列とが一定の相関関係にある場合、Aliceの行為を送信事象としBobの観測を受信事象とする通信が成立していると判断できる。送信事象と受信事象とが近接作用によって結ばれた従来の通信では、Aliceの行為とBobの観測とが直接的な因果関係にあるので、AliceからBobへの時間逆行通信は不可能である。しかし、Aliceの行為とBobの観測とが共通の原因から発していて、かつ、Aliceの行為とBobの観測とが直接的な因果関係にない場合は、AliceからBobへの時間逆行通信が因果律に反するとはいえない。ここで留意しなければならないことは、Aliceの自由意志が彼女の行為(送信)の原因とはいえないという事実である。たとえば、地震の通報の原因は地震の原因そのものであり、通報者の自由意志ではない。通報者が地震を通報するのは、地震が発生する前に「地震が発生したら通報する」という意志を固めていたからである。仮に、通報者が量子サイコロを振って(あるいは量子力学的な不確定性にもとづく気分の揺らぎによって)通報するか通報しないかを決めることになっているとしても、通報の量子力学的な不確定性に対応して地震の予知も確率的になるというだけの話である。


時間逆行通信を利用した地震の予知を例にとってさらに説明をすすめる。地震が発生する前の時間逆行通信装置と地震の原因事象とは力学的に分離されている(近接作用によって結ばれていない)。コヒーレンス長当たりの平均光子密度が1未満の光子ビームを時間逆行通信媒体とし、送信を様相的偏光混合状態の遅延選択により行い、受信を偏光状態の観測により行う時間逆行通信に関する事象生起の順序は以下のとおりである。


1.地震の本源的な原因事象(量子力学的確率事象)の生起

2.地震の本源的な原因事象を頂点とする未来光円錐面における光子の様相的偏光混合状態の遷移

3.Bobが光子の偏光状態を観測することによる通報の受信

4.地震の発生

5.Aliceが光子の偏光測定基底を通報モードに設定することによる通報の送信


 ここで、(1.→2.→3.)と(1.→4.→5.)とは異なる因果系列なので3.の受信と5.の送信との間に直接的な因果関係はない。また、2.に示した光子の様相的偏光混合状態の遷移は、新しい量子力学の解釈(実存主義的様相解釈)が予想する未発見の現象であり、時間逆行通信のアイデアの核心である。(詳しくは前シリーズ記事『時間逆行通信の原理』を参照)


時間逆行通信を検証するための実験装置の概念図を以下に示す。


verify1

図1の光源部/偏光板と受信部/偏光板とは互いの偏光軸が直交関係になるように配置(クロスニコル配置)してあるものとする。従来の光学の常識では、理想的なクロスニコル配置の場合、受信部/フォトディテクタにおける光の検出はゼロになる。しかし、筆者が提案してる量子力学の新しい解釈によれば、受信部/フォトディテクタにおける光の検出がゼロになるのは、送信部/偏光板と光源部/偏光板の偏光軸の関係が平行またはクロスニコルになるときに限られる。特に、光源部を発する光ビームのコヒーレンス長当たりの平均光子密度が1未満であれば、送信部/偏光板の回転に同期して受信部/フォトディテクタにおける検出値が正弦的に変化する様子を明確に観測できると予想できる。ここで、送信部と受信部とは近接作用により結ばれていないので、受信事象と送信事象とは直接的な因果関係にない。また、図のようにビームスプリッタからのそれぞれの距離L1,L2L1>L2に設定すれば、送信部/偏光板の回転によって受信部/フォトディテクタにおける検出値の変化が( L1ーL2)/c 秒だけ遅延選択される形になるので、この実験装置は原理的な意味で時間逆行通信装置になっているといえる。ただし、今回の実験装置の仕様では遅延時間(信号の遡及時間)そのものは計測できないので、時間逆行通信の検証は間接的な検証に留まる。



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