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時間逆行通信の原理/4.時間逆行通信装置

wells
Herbert George Wells (1866–1946)
 

時間逆行通信は、驚くほどシンプルな光学装置によって実現できます。図7のように、第1のH偏光板P1hを透過した1個の光子の光路を分岐比50:50のビームスプリッタBSにより分岐し、反射側光路の末端に送信者Aliceを配置し、透過側光路の末端に受信者Bobを配置します。Aliceは、間近の反射側光路に挿入した第2の偏光板P2をH偏光板P2hからD偏光板P2dに、あるいは、D偏光板P2dからH偏光板P2hに切り替えることによりバイナリー信号を送信します。Bobは、透過側の光路端に設置した第3のV偏光板P3vと光検出器PDを用いて光の非検出,検出を測定することによりバイナリー信号を受信します。図7に示したようにAlice側の光路長をBob側の光路長よりも長くとり、かつ、相対論的因果律に基づく事象配置条件を満たせばAliceからBobへの時間逆行通信が成立します。


概念図

図8は、図7の1光子系の時間発展を時空図を用いて示したものです。ただし、光子の世界線をx-ct平面上に図示するために、便宜上、光子がビームスプリッタBSへ入射する角度θを0°に設定しています。


図8_1_2

図8-(1)はAliceが第2の偏光板P2をH偏光板P2hに設定した状況を示しています。第1のH偏光板P1hを透過した直後の1個の光子は、第2のH偏光板P2hか第3のV偏光板P3vかのどちらかによって測定されることが確定しています。つまり、そのとき、光子はHV測定されることが確定してます。そこで、その様相的な偏光状態はH偏光状態である確率が100%でV偏光状態である確率が0%のHV混合状態、すなわち、H偏光状態です。よって、1個の光子はH偏光状態のままビームスプリッタBSを透過してBob側光路を進んで第3のV偏光板P3vで吸収(遮断)されるので、光検出器PDでの検出確率はゼロになります。

一方、図8-(2)はAliceが第2の偏光板P2をD偏光板P2dに設定した状況を示しています。その場合、第1のH偏光板P1hを透過した直後の1個の光子は第2のD偏光板P2dか第3のV偏光板P3vかのどちらかによって測定されることが確定しています。つまり、そのとき光子は偏光状態は以下の様相的混合状態になります。


D偏光状態である確率 ‥‥ 25%
X偏光状態である確率 ‥‥ 25%
H偏光状態である確率 ‥‥ 50%
V偏光状態である確率 ‥‥  0%


したがって、ビームスプリッタBSを通過(反射,透過)した直後の偏光状態は以下のような様相的混合状態になります。


Alice側光路にあってD偏光状態である確率 ‥‥ 25%
Alice側光路にあってX偏光状態である確率 ‥‥ 25%
Bob側光路にあってH偏光状態である確率  ‥‥37.5%
Bob側光路にあってV偏光状態である確率  ‥‥12.5%


よって、1個の光子がV偏光状態としてBob側光路を進んで第3のV偏光板P3vを透過し、光検出器PDで検出される確率は12.5%になります。つまり、図のように1個の光子が第1のH偏光板P1hを透過する時空点が、第2偏光板P2の切り替え(P2h ⇔ P2d)の原因事象を頂点とする未来光円錐の内側にあるという事象配置条件が満されていれば、Aliceによる第2偏光板P2の切り替え(P2h ⇔ P2d)に対応してBob側の光検出器PDの検出確率も変化(0% ⇔ 12.5%)するので、AliceからBobへの時間逆行通信が成立します。

なお、上記の時間逆行通信は、光子ビームのコヒーレンス長(可干渉長)内に存在する光子がたかだか1個であるような1光子系の場合に成立する効果です。コヒーレンス長内に多数の光子が存在するような通常の強度の光では、AliceのDX測定において吸収と透過が同時的に起こる割合が増えます。そのために1光子ごとのDX測定が無効となる割合が増えるので時間逆行通信効果の観測は困難になります。



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