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ボルンの規則の一般化

born

確率事象の充足理由とは何か?


量子測定においてある測定値が得られる確率を与えるボルンの規則の発見は、「閉じた量子系の状態の時間変化はハミルトン演算子(ハミルトニアン)により一義的に決定される」という量子力学の公理(以下、自然決定論公理という)の正当性に疑問を投げかけました。ところが、物理学者たちは自然決定論公理を信奉するあまり、射影仮説というアドホックな補助仮説(観測公理)を後から付け加えてその疑問を封じてしまいました。だがしかし、アドホックな仮説は、しばしば当の仮説の反証可能性を奪い、結果的に仮説そのものの科学的な地位を消し去ってしまうので、反証主義の立場からは認められません。


我々は、一歩下がって、ボルンの規則の背後に何があるのかを再考すべきです。ライプニッツは、「どんな出来事にも原因がある」、「どんなことにも、そうであって、別様ではないことの、十分な理由がある」という充足理由律を提唱しました。さらに、アルトゥル・ショーペンハウアーは充足理由律を四つの根に分けて考えました。その中の一つに「新たな状態には、充分な先立つ状態がある」という生成の充足理由律があります。この生成の充足理由律を量子測定に当てはめれば、測定された純粋状態(測定値)に充分に先立つと考えられる状態は、ボルンの規則によって可能性を振り当てられた混合状態しかありえません。ここで、確率を振り当てられたといわずに可能性を振り当てられたといったわけは、「可能性が収縮して測定値が得られる」という表現が「可能性→現実」という因果関係を考慮した上で適切は表現になっているからです。つまり、充足理由律に従えば、ボルンの規則は、測定時の測定対象の状態に関する確率則から、測定前の測定対象の状態に関する可能性の規則へと一般化されます。


次に、測定装置の設定に関する因果関係へと目を転じると、そもそも測定とは測定装置の測定基底を選択する出来事が事前にあったからこそ実現する現象であり、さらにその測定基底の選択にも必ず原因あることに気づきます。そして、測定基底選択の原因事象(量子力学的確率事象)を頂点とする未来光円錐の内側の測定対象は、当然ながら、その測定基底によって測定されることが確定しています。


測定基底選択の原因事象を頂点とする未来光円錐の内側の測定対象は、当然ながら、測定直前の測定対象と全く同じ測定基底によって測定されることが確定しています。したがって、測定基底選択の原因事象を頂点とする未来光円錐内にある測定対象の状態は、一般化されたボルンの規則に基づいて可能性を振り当てられた混合状態であるといえます(:実存主義的様相解釈)。また、測定対象の状態に関する混合状態への遷移面が未来光円錐面になっているということは、この非力学的かつ因果的な遷移がローレンツ不変であることを意味しています。なお、測定基底選択の原因事象も量子測定も共に量子力学的確率事象であるという認識が示唆しているように、我々の歴史は量子力学的確率事象(確率的に現れる歴史的事実)の因果的連鎖によって形作られているということができます。



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