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「私」と「他者」と「物理世界」 (12)

bohr_einstein test_anime

Bohr and Einstein


アインシュタインは、量子もつれ対に関する非局所的かつ非力学的な波束の収縮をspooky action at a distance(遠隔怪作用)と呼んだ。このspooky action at a distanceをローレンツ不変の形に記述できない限り、EPRパラドックスはパラドックスのままであり続ける。


図20は、偏光量子もつれ光子対のEPR相関を測定する典型的な測定系である。

fig20

生成時点の光子対の状態は、下記の偏光量子もつれ状態にあるものとする。


|Ψ> = (1/√2) ( |H a >|H b > + |V a > |V b > )

(1)
  

偏光板PLa, PLbを透過する光子を検出する検出器Da, Dbは、光子が偏光板PLa, PLbの透過軸方向の直線偏光状態|Ta>, |Tb>であるか、それと直交する吸収軸方向の直線偏光状態|Aa>, |Ab>であるか、を測定する測定系になっている。偏光板の透過軸の角度をθa, θbとすると、式(1)は次のように書き換えられる。


|Ψ> = (1/√2) { ( cosθa|Ta> - sinθa|Aa> ) ⊗ ( cosθb|Tb> - sinθb|Ab> )
    + ( sinθa|Ta> + cosθa|Aa> ) ⊗ ( sinθb|Tb> + cosθb|Ab> ) }
   = (1/√2) { cos(θa - θb)|Ta>|Tb> + sin(θa - θb)|Ta>|Ab>
    - sin(θa - θb)|Aa>|Tb> + cos(θa - θb)|Aa>|Ab> }

(2)

図21は、この測定系のミンコフスキー時空図である。

fig21

図のように光子対生成事象PPPが、「偏光板PLa, PLbの透過軸の角度θa, θbの設定を確定する究極的な原因事象C_set」を頂点とする記録光円錐に入っているとすれば、光子対生成事象PPP直後から偏光板PLa, PLbにおける記録事象R_a, R_b直前までの光子対の状態は、次のような記録基底混合状態である。


《PPP〜R_a, R_b》
|Ta>|Tb>の確率 = (1/2)cos2(θa - θb)
|Ta>|Ab>の確率 = (1/2)sin2(θa - θb)
|Aa>|Tb>の確率 = (1/2)sin2(θa - θb)
|Aa>|Ab>の確率 = (1/2)cos2(θa - θb)


つまり、
光子対の状態は、光子対生成事象PPP直後に、その記録可能性に対応する記録基底混合状態へと様相遷移(非力学的に遷移)し、
記録基底混合状態となった波束は、記録事象R_a, R_bを頂点とする記録光円錐面において非局所的かつ非力学的に収縮する。
よって、実存主義的様相解釈は、検出器Da, Dbの同時検出確率に関するベルの不等式を破る実験事実と無矛盾であり、なおかつ、非局所的かつ非力学的な波束の収縮をローレンツ不変な形に記述することができる。

(つづく)


お願い

以上の記事は、哲学系掲示板「論客コミュニティー」に投稿したものです。投稿先への礼儀と応答の重複を避ける観点から、この記事へのコメントは、「論客コミュニティー/哲学/「私」と「他者」と「物理世界」」の方にお寄せ願います。


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