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「私」と「他者」と「物理世界」 (6)

ac1922

記録は世界の様相を一変させる (Lick expedition, 1922)


実存主義的様相解釈にもとづいて、ミンコフスキー時空図上で光子の偏光状態の時間発展を概観する。
この考察の視座は、「かくあって別様ではない歴史」を内包する過去光円錐の頂点に位置する「私」の「いまここ」である。


予め、1個の光子を水平偏光光子のみを透す第1の偏光板P1hに入力することが確定しているものとする。 そして、第1の偏光板P1hを透過した光子は、引き続き、第2の偏光板P2によってその偏光状態を記録するものとする。 ただし、別途シュテルンゲルラッハ装置により1個の電子のスピンをダウン,アップそれぞれ半々の確率でと記録するものとし、第2の偏光板P2は、 スピンダウンの記録を原因として、+45°偏光光子のみを透す+45偏光板P2dに設定され、 スピンアップの記録を原因として、垂直偏光光子のみを透すV偏光板P2vに設定されるものとする。

fig5

図5では、光子が第1の偏光板P1hを透過する時空点は、スピンダウンの記録事象R_downを頂点とする未来光円錐内に入っている。したがって、第1の偏光板P1h透過直後において、光子は第2の偏光板P2dを50%の確率で透過することが確定している。
そこで、実存主義的様相解釈では、第1の偏光板P1h出力時点から第2の偏光板P2d入力時点までの光子の偏光状態は、


|+45>の確率 = 50%
|-45>の確率 = 50%


という記録基底混合状態であると解釈する。
なお、図中の緑色の鎖線は、電子のスピンの記録から第2の偏光板の透過軸角度設定にいたる決定論的な過程を表している。

fig6

一方、図6では、光子が第1の偏光板P1hを透過する時空点は、スピンアップの記録事象R_upを頂点とする未来光円錐内に入っている。したがって、第1の偏光板P1h透過直後において、光子は第2の偏光板P2vで完全に遮断されることが確定している。
そこで、実存主義的様相解釈では、第1の偏光板P1h出力時点から第2の偏光板P2v入力時点までの光子の偏光状態は、


|H>の確率 = 100%
|V>の確率 = 0%


という記録基底混合状態であると解釈する。


このように、第1の偏光板P1h透過直後の光子の偏光状態が、未来の第2の偏光板P2の透過軸角度設定に対応して記録基底混合状態になっているという事態は、一見すると、因果律に反するように見える。 しかし、スピン記録事象Rを頂点とする未来光円錐の内側では、第2の偏光板P2の透過軸角度が確定しているので、上記対応関係は因果律に反しない。
注目すべきことに、第1の偏光板P1h透過時点に純粋状態|H>として記録された光子の状態は、透過直後に、力学的相互作用なしに記録基底混合状態へと遷移する。 そこで、このような記録可能性の変化にともなう非力学的な状態の遷移を様相遷移とよぶことにする。

(つづく)


お願い

以上の記事は、哲学系掲示板「論客コミュニティー」に投稿したものです。投稿先への礼儀と応答の重複を避ける観点から、この記事へのコメントは、「論客コミュニティー/哲学/「私」と「他者」と「物理世界」」の方にお寄せ願います。


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