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「私」と「他者」と「物理世界」 (5)

archaeopteryx

現実世界は歴史世界である


量子現象記録体によって記録されることが確定している対象系の状態は、その記録基底に関する混合状態(以下、記録基底混合状態という)である。
たとえば、水平偏光光子だけを透すH偏光板によって偏光状態を記録されることが確定している1個の光子の状態は、HV記録基底に関する記録基底混合状態である。
この記録基底混合状態は、密度行列によって表される量子的混合状態とは異なり、純粋状態への分解の仕方が記録基底に対応して一意的であり、かつ、近似的な意味で確率的である古典的混合状態とは異なり、本源的な意味で確率的である。


量子系の一般的な状態は記録基底混合状態であるとする解釈(以下、実存主義的様相解釈という)では、1個の光子をH偏光板に入力した場合、出力光子の状態は水平偏光状態|H>になるとはいえない。
1個の光子がH偏光板から出力される時点で、たとえば、その光子を引き続き+45°偏光光子だけを透す+45偏光板に入力することが確定していれば、H偏光板から出力された時点の光子の状態は、透過(非吸収)により+45°偏光状態|+45>として記録される確率と、吸収により-45°偏光状態|-45>として記録される確率とがそれぞれ50%の記録基底混合状態であって、水平偏光状態|H>ではない。


一方、コペンハーゲン解釈では、1個の光子をH偏光板に入力した場合、出力光子の状態は水平偏光状態|H>になると主張する(射影仮説)。
それが本当ならば、H偏光板から出力された水平偏光状態|H>の光子を、さらに+45偏光板に入力すると、50%の確率で+45偏光板から出力される光子の状態は+45°偏光状態|+45>になるはずである。
しかし、|H>=(1/√2)|+45>+(1/√2)|-45> → |+45>という波束の収縮は、純粋状態の時間発展を記述するシュレーディンガー方程式と相容れない(観測問題)。


実存主義的様相解釈によれば、シュレーディンガー方程式の正当性も、波束の収縮の現実性も、ともに肯定したまま観測問題を解決できる。
なぜなら、実存主義的様相解釈では、一般的な量子状態を記録基底混合状態として捉うので、波束の収縮は、
記録基底混合状態を構成する純粋状態の一つ(可能性の一つ)が現実化する現象
(例:+45偏光板に関する記録基底混合状態を構成する純粋状態|+45>, |-45>のうち|+45>が現実化する現象)
として定義できるからである。

(つづく)


お願い

以上の記事は、哲学系掲示板「論客コミュニティー」に投稿したものです。投稿先への礼儀と応答の重複を避ける観点から、この記事へのコメントは、「論客コミュニティー/哲学/「私」と「他者」と「物理世界」」の方にお寄せ願います。


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