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Spooky Action at a Distance (6)

量子相関状態にある粒子ペア(以下EPRペアという)を一組みだけ使って、タイムコミュニケーションを行うことはできません。それならば、EPRペアを二組使ったらどうでしょうか。面白いことに、使用するEPRペアを一組から二組にしただけで、タイムコミュニケーションへの可能性は大きく膨らみます。


epr_pair_1

上の図は、互いに独立した2個のEPRソースから放出された二組のEPRペアのそれぞれの粒子が、時空点Aと時空点Bで出会う様子を表しています。考え易くするために、EPRペアは光子ペアだとします。また、2つのEPRソースは全く同じように構成されているものとします。すると、それぞれの光子は独立に測定しない限り識別不可能だといえます。図のように時空点Aと時空点Bとにハーフミラーを設置すると、EPRペア毎に光子を独立に測定することが原理的に不可能になります。そこで、ハーフミラーの出口では不可識別の光子同士が干渉して、2光子干渉という現象が観測されます。ここでは、2光子干渉の詳細には立ち入りませんが、光子の不可識別性が2光子干渉の必要条件であることだけは覚えておいてください。つぎに、時空点A'でハーフミラーを外すことによって、AliceがEPRペア毎に光子を独立に測定したらどうなるか考えてみましょう。下の図を見てください。


epr_pair_2

この場合、われわれの遷移法則によって、Aliceの測定の原因事象Cを頂点とする「測定の未来光円錐」の中では、EPRペアは古典的な混合状態であるといえます。このことは、時空点B'にあるハーフミラーに入射する2つの光子のそれぞれが原理的に識別可能になるということを意味しています。したがって、1番目の図の様に光子が識別不可能である場合と、2番目の図のように光子が識別可能である場合とで、Bob側のハーフミラーの出力状態が異なる可能性が出てきます。つまり、Aliceがハーフミラーを光路に入れたり光路から外したりすることによって、それよりも過去に位置するBob側の出力光子の測定値が変化して、AliceからBobへのタイムコミュニケーションが成立する可能性があります。


以上の考察では、タイムコミュニケーションに利用可能な2光子干渉の詳細については立ち入りませんでした。実は、そのような2光子干渉としてHOM干渉と呼ばれる効果が現実に存在しています。HOM干渉を用いたタイムコミュニケーションの原理については、節を改めて説明します。

"Spooky Action at a Distance" 完



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