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Spooky Action at a Distance (5)

われわれが導いた測定対象の状態に関する遷移法則を足がかりとして、タイムコミュニケーションの可能性について考えていきましょう。まず、量子相関状態(エンタングルメント状態)にある粒子ペアに関して、粒子を測定しないか測定するかによって、量子相関状態がどのように変化するかについて見てみましょう。ただし、量子相関状態にある粒子ペアとは、例えば、任意の方向に関するスピンの測定について、一方の粒子が上向きスピンなら他方の粒子は下向きスピンといった相関が成り立つような状態にある粒子ペアです。


entanglement

上の2つの図は、時間軸ctと空間軸xにより張られたミンコフスキー図です。左上の図は、量子相関状態にある粒子ペアの各粒子が測定されずに時空点Aと時空点BにおいてAliceとBobの目の前を通過する場合を表しています。この場合、粒子ペアの状態は純粋状態であることが量子力学から演繹できます。右上の図は、量子相関状態にある粒子ペアの一方を時空点A'でAliceが測定した場合を表しています。この場合、粒子ペアの状態は、「測定の未来光円錐」の内側において古典的な混合状態であることが経験的事実から帰納できます。そこで、Aliceが一方の粒子を測定しないか測定するかということは、粒子ペアの状態が量子的な純粋状態であるか古典的な混合状態であるかということに対応しています。とはいえ、このようなな非局所的な相関を通信に利用することはできません。なぜなら、Bob側の粒子の測定値は、Alice側の粒子の測定・非測定に関係なく、常にランダムに分布するからです。つまり、ランダムな系自体からは何の情報も抽出できないということです。これは、熱平衡系自体から有効エネルギーを抽出できないということと同じことです。


しかし、上の図のような素朴な系の考察だけで、タイムコミュニケーションの可能性を排除することは、いかにも片手落ちのような気がします。「いやいや、タイムコミュニケーションの不可能性は、とっくの昔にエーベルハルトよって論証されていますよ。」という声が聞こえてきそうです。しかし、よく考えてみてください。タイムコミュニケーションを否定するエーベルハルトのNo-Go定理は、測定前の測定対象の状態が測定装置の選択に依存しないことを前提にしています。ところが、われわれの遷移法則が正しいなら、測定前の測定対象の状態は測定装置の選択に依存するので、エーベルハルトのNo-Go定理は一般には成立しないということになります。したがって、タイムコミュニケーションの可能性を検討する余地は十分に残されているといえます。

(つづく)



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