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Spooky Action at a Distance (4)

われわれは、相対論的因果律に基づいて、「○も×も」の量子力学的な重ね合わせの状態から、「○か×か」の古典力学的な混合状態への遷移を記述する法則を導き出しました。この遷移法則は次のように要約できます。


測定対象の状態に関する量子的な純粋状態から古典的な混合状態への遷移は、その測定の原因事象を頂点とする未来光円錐(以下「測定の未来光円錐」という)の超円錐面で起こる。


ここで、量子的な純粋状態とは、複数の状態の重ね合わせとして表すことができる状態であって、それらの複数の状態が建設的にあるいは破壊的に干渉できる状態です。一方、古典的な混合状態とは、確率的に混合された複数の状態であって、その内のいずれか1つが測定されるであろう、あるいは、測定さたであろう状態です。「測定の未来光円錐」の例を、下図に示します。


future_light_cone

この図のように、時間軸ctと、空間軸x,yによって張られた時空図は、ミンコフスキー時空図と呼ばれています。ミンコフスキー時空図上の1点から広がっていく光波面は、その点を頂点とする未来光円錐として表されます。この図では、測定の原因事象を原点に置き、そこを発する光波面が「測定の未来光円錐」として描かれています。また、1個の量子的粒子の軌跡(世界線)が赤の実線,ピンクの実線,赤の点線によって描かれています。ただし、ピンクの実線は1個の量子的粒子が2つの経路に重ね合わせの状態として存在する量子的な純粋状態を表し、赤の点線は1個の量子的粒子が2つの経路のどちらかに確率的に存在する古典的な混合状態を表しています。つまり、この図では最初1つの経路を進んでいた量子的粒子が途中で2つの経路に分かれ、さらに2つの経路のどちらか一方で量子的粒子が検出される様子が描かれています。量子的粒子の世界線が「測定の未来光円錐」の超円錐面を境としてピンクの実線から赤の点線に、つまり量子的な純粋状態から古典的な混合状態への遷移していることが見て取れます。


1935年、エルヴィン・シュレーディンガーは「シュレーディンガーの猫」という有名な思考実験を提案しました。箱の中にラジウムの塊とガイガーカウンターと青酸ガス噴出装置が置かれていて、ガイガーカウンターがラジウム原子からのアルファ粒子を検出すると青酸ガス噴出装置が作動して箱内に青酸ガスが充満するように設定されています。もし、この系に量子力学の重ね合わせの原理が無制限に適用できるとすれば、この箱に閉じ込めた猫は、観測者が観測窓を覗くまでの間は生と死の重ね合わせの状態にあるといえます。しかし、猫が生と死の重ね合わせの状態にあるとは考えられないので、量子力学だけでは猫の状態を正しく記述できないということがわかります。


実に4分の3世紀に渡って、シュレーディンガーの猫は人々を悩まし続けてきました。しかし上述の遷移法則を適用すれば、箱の中の猫の状態が生か死かのいずれか一方の状態であることが直ちに明らかになります。すなわち、アルファ粒子の測定に関する「測定の未来光円錐」の中では、アルファ粒子は無いか有るかのいずれか一方の状態だといえます。そうすると、青酸ガスは噴出されていないか噴出されているかのいずれか一方の状態だといえます。ゆえに、猫は生きているか死んでいるかのいずれか一方の状態だといえます。

(つづく)



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