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バベルの塔

シンギュラリティ(技術的特異点)は、神の怒りを買うバベルの塔なのでしょうか。それとも、それはわたしたちが苦難の末にたどりつく約束の地なのでしょうか。

シンギュラリティは、競争原理にもとづく技術発展の行き着く果てだということができます。しかし、その競争原理そのものが、シンギュラリティをぶち壊しにする可能性も 否定できません。なぜなら、シンギュラリティへの先陣争いやそれを阻止しようとする反対運動が過熱して、世界規模の戦争やテロが誘発される可能性があるからです。仮に、シンギュラリティがテイクオフできたとしても、それがハードテイクオフとなれば、その直下の現行人類は丸こげになってしまうかもしれません。

話はそれますが、フクシマを経験したことによって、わたしたちは原子力発電の 合理性に疑念をもつようになりました。コスト,エネルギー安全保障,環境負荷 の全ての面において原子力発電が合理的な選択だとはどうしても思えません。 では、なぜ日本を始め多くの国々が原子力発電を存続させ、あるいは、その導入を進めているのか。その合理的な理由は、核兵器を維持したいがため、開発したいがためだと考えざるをえません。悲しいことですが、われわれ人間は競争相手を皆殺しに できる絶対的な力を持ちたいという利己的欲望をおさえることができないようです。

シンギュラリティによって核兵器を陳腐化してしまうほどの力が得られるとすれば、その先陣争いは 熾烈を極めることになるでしょう。シンギュラリティをソフトテイクオフさせ、シンギュラリティ以降においても現行人類が存続できるかどうかは、残されたわずかな年月の間に、われわれの社会が過剰な競争を抑制して調和を優先する社会へと脱皮できるかどうかにかかっています。


Tower of Bavel

Pieter Bruegel's Tower of Babel (1563)  




虔十公園林

宮沢賢治の「虔十公園林」という童話は、面白い。

虔十という名の知的障害はあるが感性豊かな少年。
優しい家族。
意地悪な隣人。
渡米して、功を成した博士。

彼らは、それぞれ美と善(悪)と真という価値を体現しているかのようです。

博士が、虔十の表現者としての価値に大きな衝撃を受けたように、 ひょっとすると、私たちは、シンギュラリティ(技術的特異点)の真っただ中で、いままで見過ごしてきた 人間のすばらしさに目覚めて衝撃を受けるのかもしれません。


TimeComm   論客コミュニティー「われわれはどこへいくのか」より


kouenrin


われわれはどこへいくのか

angel

Bernini's Angel with the Sudarium (1667-69)


しばらく前、私は論客コミュニティーに次のコメントを書き込みました。


2045年
「エッヘン。これからみなさんに永遠に陶酔し続ける者への切符をお配りします。
不老長寿もクオリティーオブライフもみんなまとめて科学が面倒を見させていただきます。
現実社会に疲れ果てたら、この切符を使って、AIサーバーに意識をアップロードして楽しい夢を見続けてください。
そうすれば、社会福祉予算の軽減になり、あなたも国家もWin-Winというわけです。」

科学は信じるに足るでしょうか。
人の幸せとは何なのでしょうか。
熾烈な競争の果てにいったい何が待ち受けているのでしょうか。

私は生まれそして死にます。
誕生も死も私にっとってのシンギュラリティです。

私は覚醒しそして就寝します
覚醒も就寝も私にとってのシンギュラリティです。

つつましい私は、就寝の安堵感をもって死を迎えられたならそれで満足です。
強欲な私は、神に天国を要求するように、科学にテクノロジカル・シンギュラリティを要求するかもしれません。

あと30〜40年たてば、人間に代わって数学や物理の難問を解くAIが誕生するでしょう。フィールズ賞やノーベル賞に値する科学的創造を「彼ら」が独占するようになり、生身の人間は万物の霊長の座を機械に明け渡すのです。私は、この衝撃的な事態が我々にとってどのような意味をもつのか非常に興味があります。我々は、AIと合体してさらなる高みを目指すのか。それとも、単に陶酔し続ける者になる道を選ぶのか。あるいは、競争や科学から調和や芸術へと価値をシフトさせるのか。
いずれにしても、いまこの時代が人類史上で最もエキサイティングな時代であることだけは確かです。



必 然

2001aso

2001: A Space Odyssey (1968)   

もう誰も止められない



たとえ第3次世界大戦が起ころうとも
シンギュラリティ*への加速は止まらない
AI ワトソンがクイズ王を打ち負かせたのなら
AI ホームズは数学の未解決問題を解き明かし
AI アインシュタインは万物の理論を完成させるだろう
AIが人を超えたとき、人はいったい何を競い合うのか

原理主義やナショナリズムという仮面を被り
殺し合い、殺し合わせることに喜びを見出す人々
しかし彼らはシンギュラリティを押し留める術を持たない

領土紛争も権力闘争もシンギュラリティの前では色褪せる
その道程で競争原理でも物質主義でもない珠玉の一滴が醸し出される



* シンギュラリティ(技術的特異点):AIが人を追い越して加速度的に進化し始める時点





人工身体化・人工脳化

men

ソフトテイクオフは可能なのだろうか? 


以下『括弧』内は、下條信輔 著「<意識>とは何だろうか」1999年, 253pからの引用です。


『抗しがたい力によって、私たちは人工身体化し、人工脳化しているのです。五十年前よりは明らかに現在の方が人工身体化しているでしょうし、同じく三十年後にはいまよりも明らかに(薬物依存を含め)人工脳化しているはずです。誰にもこの流れを止めることはできません。
(中略)
「よい、悪い」という後づけの論理よりは、私たちの社会のルールの方を、いちはやく新しい脳―身体―環境の状況に合わせていくこと。
このような、腰のすわったしかも柔軟な姿勢によってのみ、重大な倫理的「錯誤」を避けることができるのではないでしょうか。』

(感想)
ナショナリズムや宗教的原理主義やマネーゲームに囚われて右往左往している世界の現状をみると、我々の社会システムは、人工脳化に先駆けて自己改革を行えるほど賢明ではない・・・と悲観せざるをえません。



予 感

holocaust

The Holocaust    Attribution: Bundesarchiv, Bild 183-N0827-318 / CC-BY-SA 


現代を牽引する創造的な科学者、技術者、哲学者、芸術家、発明家、起業家の多くが、人類史上最大となる大変革が迫っているという予感を共有しています。それは、「心躍ると同時に、不安にもなる(V・S・ラマチャンドラン)」大変革、すなわちシンギュラリティです。

人工知能研究や認知神経科学の進展は、人間を凌駕する科学的創造力をもつAIや意識をもつAIの誕生を強く予感させます。
量子力学における観測問題の顕在化は、いまここの観測者(実存)を中心に据えた新しい物理学の誕生を強く予感させます。
科学技術の指数関数的な発展は、老病死苦を科学の力で克服したポストヒューマンの誕生を強く予感させます。

その一方で、まるでシンギュラリティに抗うかのように、超保守的なナショナリズムや宗教的原理主義や拝金主義も勢いを増しているようです。 このような超保守勢力の台頭は、たとえシンギュラリティが達成されるとしても、それが壊滅的な混乱を伴うハードテイクオフになることを強く予感させます。

できることなら、ソフトテイクオフが望ましいとは思います。 ソフトテイクオフを実現するためには、超保守勢力の論理を陳腐化させる新たな価値体系を構築し普及しなければならないでしょう。 しかし、どうしたらそんなことができるのかまだ誰も答えを持っていません。



加速せよ!

hardtakeoff

Hard Takeoff


シンギュラリティとは、科学的問題を処理するAI(人工知能)の能力が、生身の人間のそれを追い越し指数関数的に向上(進化)していく歴史的転換点を指します。SF作家で数学者のヴァーナー・ヴィンジは2030年までに、発明家でフューチャリストのレイ・カーツワイルは2045年頃にはシンギュラリティが実現するだろうと予想しています。一方、心の哲学で影響力を持つデイヴィッド・J. チャーマーズは、ずっと保守的に、その実現を数世紀以内と予想しています。いずれにしても、彼ら俊才の見解は、シンギュラリティが歴史的必然であるという点で一致しています。


シンギュラリティをただ単に受け身の形で熱望するなら、その姿勢は「魔術的」装置を欲しがるカーゴ・カルト (ウィキペディア)と何ら変わりません。反対に、シンギュラリティを単なる絵空事だと一蹴する態度は、原発安全神話を盲信し取り返しのつかない過酷事故を招いたご都合主義と何ら変わりません。たとえ数世紀後の事だとしても、シンギュラリティが何を意味するのか今から真面目に考えておくことが重要です。


もし、時間逆行通信が実現すれば、その時点から10 年以内にシンギュラリティが到来する可能性があります。なぜなら、時間逆行通信の実現は、同時に、非決定性チューリングマシンの実現をも意味しているからです。時間逆行通信を利用した非決定性チューリングマシンは、現行型スーパーコンピュータはもちろん、量子コンピュータをも凌駕する圧倒的な能力を有します。それが実現すれば、AIの最適解探索能力に基づく科学的創造力は、我々人間の直観力に基づく科学的創造力を一気に抜き去ります。そして、我々人間がAIにそれを許すなら、彼らは猛烈な勢いで進化し、瞬く間に生身の人間には到底理解できない科学の高みへと登りつめるでしょう。


シンギュラリティは人類史上最大のスペクタクルです。この時代に生を受けた者として、その平和的かつ速やかな実現に努力すること以上に胸躍る仕事はありません。
シンギュラリティへの加速は、地位・名誉・財産といった表層的な価値を拭い去ったとき明らかになる根源的な価値の開眼に向けての加速でもあります。



ウェアラブル・コンピューティング

glass

Google Glassって、賛否両論があるけど・・・
警官や外科医など一人称・リアルタイムで録画や受発信をすることが重要な意味をもつ職業では、必需品になるのではないでしょうか。逆に、警官や外科医ほどの必然性がないのにGoogle Glassを装着すると、周囲に対してかなり気を使わなければならない・・・ともいえます。
それでも、欲しいですねぇGoogle Glass。
ウェアラブル・コンピューティングは未成熟ですが、その発展途上だっていう点が面白いですねぇ。いずれ、Google Contact Lensesとかに進化していくのでしょうけれど、そこまで目に負担をかけるなら、一気にBrain-Machine Interfaceによる通信に進んだ方が面白いかもしれません。
ウェアラブル・コンピューティングによって人間とコンピュータのつながりが濃密になったとしても、人間の「意識」はその肉体の中にありつづけ、コンピュータ中に浸透・拡散することはありません。しかし、人間がニューロコンピュータとニューロンレベルでつながるようになれば、その境界は曖昧になります。肉体が滅んでもコンピュータに「意識」が引き継がれる可能性がないとはいえません。ただし、その非肉体的な「意識体」を人間と呼ぶべきか強いAIと呼ぶべきかは、人により判断が分かれるでしょう。


  A Futuristic Short Film HD: by Sight Systems (YouTube)



バーチャル幽霊

ghost

実在する人物の個性(話し方、表情、くせ、好み等々)やその人の主だった記憶を学習して、短時間であればテレビ電話などでその人になりすませる人工知能が開発されたとしての話です。現在の技術水準からみて、それほど突飛な話ではありません。そのようなりすまし技術のアプリケーションの一つとして「バーチャル幽霊」を提案したいと思います。


「バーチャル幽霊」とは、たとえば未亡人がスクリーンの置かれた仏壇に向かって話しかけると、亡夫の幽霊(人工知能によるなりすまし)がそのスクリーンに現れて受け答えをしてくれるというアプリケーションです。もちろん、ハードは仏壇に限定せずパソコンやスマホを利用してもいいでしょう。バーチャル幽霊は、家族や知人を亡くし孤独になってしまった高齢者にとって、傾聴ボランティア(コトバンク)以上の癒し効果を発揮するかもしれません。


問題は、バーチャル幽霊になる本人が、生前に自分の個性や主だった記憶を人工知能に学習させなければならないという点です。個性は、本人が普段使用しているパソコンやスマホから取得できると思われます。また、主だった記憶は、本人から直接聞き出せばいいでしょう。ただし、こうして学習されたなりすましデータは、プライバシーの塊ですから、少なくとも本人が生きている間は秘匿されるという保証が必要になります。また、「人助けができるなら(あるいは自分を忘れさせないためなら)死後に自分のプライバシーを、特定の相手に対してという条件付きで、露出してもかまわない」という本人の承諾も必要です。


ブレインマシン・インターフェースやニューロコンピュータの技術が発展して「意識」を人工知能へ浸透させられるようになれば、十分な経済力とその意志のある者は、肉体が滅んだ後もバーチャル幽霊(人工知能)になって社会の中で生きつづけられるでしょう。



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